電気自動車での使用を想定
日本精工(NSK)は12日、電気自動車(EV)の駆動モータ用「静音・低摩擦玉軸受」を開発したことを公表した。NSKでは同製品について、低温条件下での静音化に加え、広域な温度における低摩擦化を実現したものであると説明している。
広がるEVの活躍地域 幅広い温度への対応が急務に
同社の発表によれば、EVの使用地域は従来の中心だった世界各国の都市部から、気温が氷点下に達するような寒冷地および高温が常の南方地域まで、幅広い温度環境下に拡大。またこうした利用環境の多様化に伴い、充電のためのインフラが十分に整備されていない地域でもEVが使用されるようになっているという。
EVの駆動モータを支持する玉軸受はこうした利用環境の広がりを受け、低音環境下での異音発生、高温環境下での焼付きによる耐久性不足といった課題を抱えていた。NSKではこうした課題を解決するとともに、従来課題の一つであった航続距離の向上につながる製品の開発に取り組んだという。
グリースの工夫などで課題を克服
同社が今回開発した「静音・低摩擦玉軸受」では、グリースの低温における流動性を高めることに成功。これにより低温環境下における軸受の振動が低減され、静音化が可能となっている。
これに加え、グリースには耐熱性が良い基油を使用し、高温環境下で発生するグリースの劣化や漏れを抑えることで耐久性を確保。これらグリースと組み合わせる軸受諸元も最適化を施すことで、優れた性能を引き出すことに成功している。
また同社ではグリースの増ちょう剤の種類と量についても最適化を行い、撹拌抵抗を低減。従来品と比べて最大40%程度の低摩擦化を実現し、EVの航続距離向上にも貢献する製品に仕上がった。同社では2020年をめどに、同製品における5億円の売り上げを目指す方針だとしている。
(画像はプレスリリースより)

日本精工(NSK)プレスリリース
http://www.jp.nsk.com/company/presslounge/news/2014/press