高出力直噴ターボガソリンエンジンの市場拡大に対応
マーレは、高出力直噴ターボガソリンエンジン(GTDI)のための、熱溶射コーティングを使用して改良された新型トップピストンリングを開発したことを発表した。
この新しいプロセスは、ミシガン州マスキーゴン、セントジョンズにあるマーレの熱溶射開発研究所において、2011年以来開発が行われてきたものであり、現在アメリカ国内の自動車メーカー2社が生産している、高出力GTDIエンジンのために設計された。
高出力ターボチャージャーエンジンの市場は、2020年までに30%以上の市場シェアを達成することが期待されている。
耐摩耗性と耐スカッフ性を改善
マーレの「MSC312」と呼ばれる新たなコーティングは、窒化クロムの組成によって、同社の「MSC385コーティング」の耐摩耗性と耐スカッフ性を改善したものだ。
新しいコーティングでは、これまで物理的蒸着によって塗布された窒化クロム(CrN)を製剤中に使用し、高速度酸素燃料法(HVOF)を介してトップリングコーティングとして塗布。
さらにモリブデンクロムの添加によって、ピストンリングとシリンダ壁との間の優れた耐摩耗性と低摩擦を提供し、リングの壁界面での摩耗を低減させる。
また、新しいコーティング技術は、2018年から2020年に予定されている、レスシリンダ口径の摩擦、低粘度オイルや代替燃料の使用が求められるエンジンの新しい生産要件も満たしている。
新しいコーティングの厚さは、エンジンの耐久性の要件を満たすように調整することも可能であり、より優れた性能を持つ、高価なプレミアムはめ込みトップリングといえる。
自己着火現象にも耐用
一般的に、3.5リットル以下の高出力エンジンは、低速プレイグニッションや「メガノック」といわれる自己着火現象の影響を受けやすい。
HVOFコーティングは、トップピストンリングを損傷することなくGTDIエンジンが持つ高レベルの低速プレイグニッションに耐えることができる、唯一のコーティング製品だ。
これまで、トップリングのコーティングは、従来のプラズマ法を用いて塗布していた。小型化GTDIエンジンでは、従来のトップリングプラズマリングは、GTDIエンジンの低速・高ブースト状態に関連する、低速プレイグニッション・アクティビティの高いレベルに耐えられるほど、堅牢ではない。
従来のプラズマ法は、マーレのセントジョンズ工場や、ヨーロッパ、南米、メキシコのアグアスカリエンテスにあるマーレの施設におけるリングの生産で使用されている。

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