コンチネンタル、道路の安全性を向上させるためにVodafoneと提携

コンチネンタルは10日、Vodafone と新しいイノベーションを促進するために提携すること発表した。

提携の目的は、スマートな車両接続性でドイツの道路の安全性を向上させることであり、すべての道路利用者を保護するための革新的技術を共同開発することである。

ドイツの道路では、毎日7,100件の事故が発生しており、交通事故率は過去最高レベルである。ドイツ連邦統計局によると、毎日およそ1,060人のケガ人と9人の死亡者があり、深刻な結果となっている。

Vodafoneとコンチネンタルは、既にVodafoneの5Gモビリティラボにおいてアプリケーションシナリオで協働しており、歩行者用のデジタルシールドと渋滞警報システムという2つの重要なプロジェクトに取り組んでいる。これらは、5G、セルラーV2X、モバイルエッジコンピューティングで実装される予定である。

一方、コンチネンタルのインフォテインメント・コネクティビティ事業ユニットの責任者であるJohann Hiebl氏は、次のようにコメントしている。

両社は、ワイヤレスネットワークを最適化し、5Gモビリティラボで自動車業界の膨大なデータ要件に対応している。未来の完全に自動化された車両は、毎分1ギガバイトのデータを生成し、その一部は他の道路利用者と共有される。

5Gの次世代のセルラーネットワーク技術は、毎秒最大10ギガビットのデータを処理でき、数百万台の車が同時に通信できるようになる。

道路利用者は、リアルタイムでデータを共有できる場合にのみ、相互に潜在的な危険を警告することが可能となる。セルラー V2X技術は、車両をクラウドに接続し、車両間または車両と他の道路利用者との間の情報共有を簡単にする。

コンチネンタルとVodafoneは、クラウドコンピューティング機能とセルラーネットワークによる最先端のITサービス環境を実現する技術であるモバイルエッジコンピューティング技術も検証している。この技術は、伝送されるデータ量と伝送経路の両方を大幅に削減し、情報処理のスピードを全く新しい次元に変えるものである。

ドイツ連邦統計局による調査で、交通事故死亡者の25％が歩行者やサイクリストであるという傾向があることから、5Gモビリティラボでは、モバイルエッジコンピューティング技術を使用して、歩行者やサイクリストのデジタルシールドを検証している。

車両には、例えば道路に飛び出した歩行者を認識するためのカメラが内蔵されている。そして、カメラは、光速人工知能解析のために、基地局のモバイルエッジコンピュータにライブ画像を送信し、システムが危険状況を識別した場合、無線ネットワーク経由でエリア内のすべての車両に警告を送信する。

これは、運転手や歩行者だけでなく、自動車メーカーにとっても有益である。リスク分析に必要なコンピューティングパワーをモバイルエッジコンピューティングサーバに再配置することにより、メーカーが高価なチップセットを車に統合する必要がない。

また、セルラーV2X技術により、運転者の手が届くサラウンドセンサーの範囲外で危険事象があっても、車両・人・インフラストラクチャが情報を直接共有できるようにすることで、運転者は緊急時により良い、迅速かつ情報に基づいた意思決定を行うことができる。

さらに、従来の無線ネットワークと直接通信技術の両方となるセルラーV2Xを介して、周辺にいる他の道路利用者に直接データを送信する、交通渋滞警報システムも開発した。

交通渋滞から数キロ離れた車両には、それを回避できる代替ルートを提案することができ、渋滞の終わりに近づいている車両には直接警告が送信されるため、速度を低下させて後部に衝突されるリスクを回避できる。

（画像はプレスリリースより）




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