より迅速なエンジンレスポンス時間
ボルグワーナーは6日、アグレッシブな過度レスポンス目標を備えた軽車両のガソリンエンジン向けに特別に設計された、デュアルボリュートターボチャージャーを開発したことを発表した。
この新しいターボチャージャーは、低速から加速する際の、エンジンのレスポンス時間が大幅に短縮されている。デュアルボリュート形状は、エンジン排気圧脈動の完全な分離を可能にするので、従来のツインスクロールターボチャージャーと比較して、タービンホイールはより多くの排気エネルギーが利用可能となる。
ボルグワーナーによるエンジンブースティング製品の広範なポートフォリオに加えて、デュアルボリュートターボチャージャーは、ガソリン動力軽車両に向けた新しいパフォーマンスソリューションであり、OEMが個々の目標を達成するのを助ける。
ボルグワーナーターボシステムの社長兼ゼネラルマネージャーであるRobin Kendrick氏は、次のようにコメントした。
「先進的なエンジンブースティング技術開発における我が社の歴史と専門知識により、技術開発におけるシステムアプローチを得て、適切なターボチャージャーソリューションを選択することにおいて顧客をサポートします。我々のエンジニアリングチームは、デュアルボリュートターボチャージャーが、優れた過度現象を必要とする軽車両のために、より迅速なエンジンレスポンス時間を提供できることを認識しました。」(プレスリリースより引用)
より多くの排気脈動エネルギーを創成
ターボチャージャーは、タービンとコンプレッサーで構成され、エンジンからの高温、高圧の排気流で通常消費されるエネルギーを利用して作動し、そのエネルギーを、圧縮されたまたは「ブーストされた」空気に変換してエンジンに供給する。
伝統的なツインスクロールターボチャージャーは、タービンハウジングに仕切り壁を追加することによって排気流をタービンホイールに分離することを維持し、排気流路の「並列」配置を作り出す。
しかし、これらの設計では、2つの通路からの排気流がタービンホイールに入る直前に小さな共通流路に入る必要がある。共通チャネルは、両サイドの間で排気流と脈動エネルギーの漏れを許容し、これはタービンホイールに利用可能なエネルギーの損失となる。
この共通の流路をなくして流路を完全に分離することにより、ボルグワーナーのデュアルボリュートタービンステージは、ツインスクロールタービンよりも多くの排気脈動エネルギーを捕捉することができる。
排気パルスと排気流との間の長い時間がより変化する低エンジン速度では、エンジンからの脈動エネルギーを利用する能力は、排気流のエネルギーだけに比べて、タービンホイールを駆動するために利用可能なエネルギーの大幅な増加を表している。
低エンジン速度においてタービンエネルギー利用を増加することは、優れたターボチャージャーのブーストレスポンスを提供し、現代のターボチャージャーエンジンにおける迅速なエンジンレスポンス目標を満たすためのカギである。
軽車両向け初のデュアルボリュートターボチャージャー
ボルグワーナーの新しいソリューションまで、デュアルボリュートタービンターボチャージャーは、商用車に搭載されたディーゼルエンジンに限定して使用されていた。
ボルグワーナーは、2012年からガソリンエンジン用のデュアルボリュートターボチャージ技術の開発を開始し、今では、軽車両市場向けで初めてのデュアルボリュートターボチャージャーとなる、OEMによるフルサイズのピックアップトラック向けに生産している。
同社は、燃焼、ハイブリッド、電気自動車のクリーンで効率的な推進ソリューションのリーディングカンパニーとして、ますます厳しくなる世界の排出ガス規制に適合するように製品を設計している。
(画像はプレスリリースより)

BorgWarner Press Releases
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