電動モーターの役割の拡大し、機能を再配置
コンチネンタルは、同社のパワートレイン事業であるVitesco Technologiesが、CTIベルリンにおいて、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)などで使用される、非常に費用効果が高くコンパクトなハイブリッドトランスミッションソリューションを展示したことを発表した。
Vitesco Technologiesは、パワートレインの電動化の分野におけるノウハウを活用し、手頃な価格のハイブリッド車両の開発に取り組んできた。
ハイブリッドは、パワーエレクトロニクスとバッテリーを備えた内燃エンジン、および電気モーターという2つの動力源があるため、課題も多くなる。技術インフラストラクチャが追加されることによって、完全電動高電圧ハイブリッドのコストが増大し、市場へ広く浸透させるための問題点となる可能性がある。
これに対して、Vitesco Technologiesは、これまでトランスミッションで実行されていた多くの機能を再配置するというコンセプトによって、パワートレインの設計に関する従来の考え方を打ち破るソリューションを開発した。
このソリューションは、電動モーターの果たす役割の拡大に焦点を置き、電動モーターを推進やエネルギー回収の手段として機能する以上のものとした。
Vitesco Technologies、テクノロジー&イノベーション担当の責任者であるStephan Rebhan氏は、次のように述べた。
「これまで、プラグインハイブリッドと完全ハイブリッドのパワートレインが高価で、多くの顧客が導入できないことから、これらの車両の可能性を最大限に引き出してCO2排出量を削減することはできなかった。我々は、我が社のDHTテクノロジーを活用してコスト効率の高いPHEV用を設計した。PHEVは、CO2排出量の削減という観点から、将来に向けて成功する価値のあるEモビリティの形である。」(プレスリリースより引用)
省スペース・軽量化でコスト削減
コスト効率の高いPHEVに搭載されたDHT技術の基本的な目的は、トランスミッションの出力側に先進の高電圧電気モーターを備えた非常にコンパクトなオートマチックトランスミッションの設計を実現することである。
Vitesco TechnologiesによるPHEVのプロトタイプは、従来の6速オートマチックトランスミッションを搭載したプラグインバイブリッドに伴う、同等基準の快適な運転とシフトチェンジをドライバーに提供している。
また、Vitescoテクノロジーを使用したDHTトランスミッションには機械式のギアが4つしかなく、機械式シンクロメッシュシステム、補充油圧装置、スタートクラッチがない。
1速と2速の移動および後退は、電気駆動モーターによって制御され、同期は、内燃エンジンに迅速でスムーズな始動を提供するスターターオルタネーターによって実行される。
機能の再配置により、トランスミッションにおける機械的な部品の数を減らすことができ、スペースと重量、コストを抑えることが可能となった。設置スペースが常に課題となるコンパクトセグメントの車両におけるフロント横向き取り付けのためには、DHTが最適な選択となる。
また、DHTテクノロジーは、低コストのポートインジェクションガソリンエンジンと完全電気対応の電気駆動装置を組み合わせることで、完全電気モードではゼロエミッションを実現しており、完全電気モードで最高時速120キロ、ハイブリッドモードで最高時速160キロの速度を提供する。
(画像はプレスリリースより)

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