水素燃料トラックNikola Twoを開発
ボッシュは、アメリカのNikola Motorに提供しているパワートレインの開発に関して、ホームページで紹介した。
ボッシュは、物流における効率と安全性を向上させるための商用車向けのソリューションを提供し、Nikola社のトラックは、ボッシュの支援を受けて自動化、接続性、電化の革新を実現している。
アリゾナ州で開催されたNikola社のワールドイベントでは、水素を燃料とするセミトラック「Nikola Two」が公開された。これは、ボッシュの技術と専門知識によって開発された車両で、業界に対応した大型トラックのコンポーネントとシステムを備えている。
この技術とシステムのアプローチは、「Nikola One Sleeper Cab」や「Nikola Tre」、ヨーロッパ市場向けの水素電気トラックなど、Nikola社のフルラインナップに適用することができる。
北米ボッシュ、商用車&オフロード車担当のバイスプレジデント兼地域ビジネスユニットリーダーであるJason Roycht氏は、次のように述べた。
「これは、高度な技術を、最高レベルのエンジニアリング卓越性をもったトラックを作るという、まったく新しい独自のアプローチへ組み入れることを目指した2年半の協力の結果である。Nikola Twoは、今日の大型トラックを単純に進化させたものではなく、洗練されたコントロールとデザインにおける革新である。」(プレスリリースより引用)
先進コンピューター機能とミラーレス機能
Nikolaトラックには、ボッシュが開発した、独立型ユニットの数を減らしながら、先進機能のための高いコンピューター機能を提供するVehicle Control Unit(VCU)が装備されている。
VCUは、Nikolaトラックの先進機能をサポートするために必要な、非常に複雑な電気電子(E/E)構造のためのスケーラブルなプラットフォームを提供する。また、未来のイノベーションに向けて、リアルタイムの無線アップデートと監視を提供する高度で安全なオペレーティングシステムと接続される予定である。
ボッシュはまた、Mekra Lang社と開発したカメラシステムを、Nikolaトラックに供給した。この「Mirror Cam System」というカメラシステムは、これまでのミラーの代わりに左右に取り付けられた2台のカメラが、トラックの運転席から横と後ろのデジタルな視界を提供する。
そして、運転席内に取り付けられた高解像度ディスプレイにリアルタイム画像を送り、モニターの表示をデジタルで運転状況に合わせて調整している。
また、ミラーの代わりのデジタルカメラは、安全性を高めることに加えて、ミラーよりも小さいことから、空気抵抗を減らすことができる。
車両キーをデジタル管理
さらに、Nikolaトラックに搭載されたボッシュのPerfectly Keylessシステムのおかげで、輸送会社は、Nikolaトラックの車両キーをデジタル管理することができる。
貨物車両と商用車をレンタルする会社は、スマートフォンのアプリを使用して、運転手に特定した車両へのアクセスを許可する。
そして、車両のセンサーが運転手のスマートフォンアプリと接続するため、運転手が車に近づくと、Perfectly Keylessがスマートフォンを認識して、割り当てられた固有のセキュリティキーを識別しドアのロックを解除する。また、運転手が再びトラックから離れるとすぐに、車両は自動的に安全にロックされる。
さらに、ボッシュの電気油圧式ステアリングシステム「Servotwin」により、ドライバー支援システムが、運転の快適性と安全性を高めるとともに、車線維持アシスト、横風に対する車両安定制御アシスト、渋滞運転アシストなどの機能を可能にしている。
(画像はプレスリリースより)

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