既存の内燃エンジンモデルに取り付け可能
ZF Friedrichshafen(以下、ZF)は23日、日本市場向けの小型商用車を開発したことを発表した。
同社は、「ZFはすべてを電動化する」というスローガンにより、乗用車や商用車、さらには産業用機械車両において幅広いシステムを電化してきた。
このプロトタイプ車両は、日本特有のニーズを満たすために、ZFジャパンのエンジニアリングチームが、ドイツのZF本社チームと共同で開発したもの。ZFの乗用車向け電気ドライブをベースに開発された「CeTrax lite」は、最大7.5トンのGTWを備えた小型商用車(LCV)用の電気ドライブである。
ZFは、電気モーター、パワーエレクトロニクス、トランスミッション、冷却システムを統合するという体系的なアプローチを通じて、総重量120クログラムの小型軽量ドライブラインユニットを実現した。
ZFジャパンの研究開発責任者であるRobert T. Seidler氏は、次のように説明する。
「我が社のEドライブモジュールの利点は、既存の内燃エンジンモデルに取り付けることができるため、シャーシやアクスルを大幅に変更することなく、完全電気自動車に変換できることである。これは、我が社の『plug-and-drive』コンセプトのかげである。このシステムは、耐久性とコスト効率の面で証明されており、乗用車向けの電気ドライブシステムは、既に市場でシリーズ生産されている。」(プレスリリースより引用)
ゼロエミッションと低騒音、高いエネルギー効率
このプロトタイプトラックに搭載された非同期モーターは、150キロワットと380Nmのパワーを示し、このクラスの内燃エンジンとして同じレベルの性能を持ちながら、ゼロエミッションと低騒音を実現している。
ZFは、「CeTrax lite」のドライブラインは、日本の顧客向けの主要製品にするためのパワーと低騒音、高いエネルギー効率を備えていることから、この電気トラックが日本の小型商用車メーカーと輸送会社のニーズを十分に満たすと考えている。
これらのニーズには、早朝や深夜に住宅街にある24時間営業の店舗へ配達することや、自動販売機の飲み物を補充するために頻繁に停車するような運転、宅配便の配達などが含まれる。
Robert T. Seidler氏は、次のように付け加えた。
「新しいプロトタイプは、日本で最も一般的に使用されているLCVにおける従来の内燃エンジンドライブラインを、ZFのCeTrax liteに置き換えたものである。ZFは、この車から始めて、日本だけでなく世界でも電化に向かって進んでいくとともに、商用車メーカーと輸送会社の特定の要件を満たすために努力する。」(プレスリリースより引用)
(画像はプレスリリースより)

ZF Friedrichshafen Press Releases
https://press.zf.com/press/en/releases/release_7047.html