世界最大の自動車市場である中国
ボッシュは1日、中国の検索エンジンを提供する「Baidu(以下、百度)」との間で、中国におけるスマートモビリティに関する戦略的協力のフレームワークについて合意契約を締結したことを発表した。
ロバート・ボッシュ社の取締会メンバーであるDirk Hoheisel氏と、百度の取締役会副会長兼COOであるLu Qi氏がこの式典に出席し、契約書に署名を行った。
Hoheisel氏は、百度と戦略的に協力する機会を持つことを喜ばしく思うとし、次のようにコメントした。
「中国は世界最大の自動車市場であり、モノのインターネット(IoT)と人工知能(AI)の開発においても先進の市場のうちの1つです。この提携は、ハイテクインターネット企業のノウハウと世界最大の自動車サプライヤーの専門知識を組み合わせることであり、中国におけるスマートモビリティの発展を促進することが期待されます。」(プレスリリースより引用)
両社の専門知識で自動運転車両開発を推進
ボッシュは、協力パートナーとして、百度の「Apollo」プロジェクトに参加する。このプロジェクトは、オープンで包括的、かつ信頼性の高い自動運転車両開発のソフトウェアを提供することを目的としており、ボッシュは、車両の位置限定のために、センサーと「Bosch Road Signature」を提供する。さらに、両社は、中国での自動運転に関する法律の策定を支援するための技術的専門知識を提供する予定。
2017年4月に、ボッシュは、百度を含む主要な中国の地図プロバイダと提携し、自動走行のためのHDマップについて協力を行い、「Bosch Road Signature」を導入した。このサービスは、ボッシュの高性能カメラとレーダーセンサー、高解像度地図を組み合わせて、悪天候時にも自動走行車両の位置を特定する。
一方、中国最大の検索エンジンとインターネットサービスプロバイダである百度は、環境認識・行動予測・軌道計画・スマートコネクティビティ・HMI・正確な位置限定・HDマップなど、自動運転に関する多くのコアテクノロジーの専門知識を培ってきた。また、百度は、2013年から自動運転技術に関するR&Dに携わっている。
百度のQi Lu氏は、次のように述べている。
「自律走行とインテリジェントカーを開発することは、業界の発展に向けて、関係者からの真摯な努力を必要とする大規模な共同作業です。AI技術は百度のコアコンピタンスであり、ボッシュは技術とサービスのリーディング企業です。両社の協働によって、自動車業界のインテリジェントシステムをアップグレードし、インテリジェントで自律的な自動車のための新しいエコシステムを作り上げることができます。」(プレスリリースより引用)
世界各国で自動運転車両をテスト中
ボッシュは2011年から自動運転の開発に取り組んでおり、現在、ボッシュのエンジニア約3,000名が世界中で自動運転に取り組んでいる。同社は、運転支援システムに関して、2016年に初めて10億ユーロ以上の売り上げを達成したほか、35億ユーロの受注を獲得した。
また、同社は中国における自動運転の段階的実現を約束しており、運転支援・ブレーキング・ステアリングシステムに関して多くのOEMと協力している。
現在、ボッシュは、ドイツ・アメリカ・日本に続き、中国でも自動運転をテスト中である。
ボッシュと百度は、中国の高速道路において、部分的な自動運転を実現するため、ジープチェロキーを基にしたテスト車両を導入した。このテスト車両には多数のボッシュ部品が搭載されており、その中には、5つのミッドレンジレーダーセンサー・環境認識用の多目的カメラ・ESPブレーキ制御システム・電子パワーステアリングが含まれている。
(画像はプレスリリースより)

Bosch Press release
http://www.bosch-presse.de/