グラフェン強化タイヤの試作が完了
Linglong Tireは、100%子会社であるBeijing Tiancheng Linglong Tire Co.とBeijing Chemical Technologyが共同で実施している「グラフェンゴム複合材料の大規模応用」に関する研究が、北京市科学技術委員会(BMSTC)による監査に合格し承認されたことを発表した。
この監査には、清華大学、北京大学、国立科学技術センター(NCNT)、北京師範大学、北京化工研究院(BRIS)などからの中国における主要な専門家が参加している。
この研究は、2015年に初めて、低転がり抵抗コンセプトのタイヤが製造され、国際的に権威のある学術誌に掲載されてから、Linglong Tireにとって1つのマイルストーンである。
華南理工大学のGuo Baochun教授は、チームに主要な技術的サポートを提供し、Linglong Tireの招遠市にある生産拠点にあるセミスチールラジアルタイヤ生産ラインにおいて、グラフェン強化タイヤの試作が完了した。
前処理コストを削減し既存プロセスでの製造が可能に
この研究の成果としては、チームがグラフェン前処理技術を共同開発し、それによってグラフェン前処理の生産コストを下げたことが挙げられる。
また、前処理体をトレッド配合物に適用したことで、グラフェン強化タイヤは、適切なプロセス調整に加えて、既存のタイヤ製造プロセスと設備の変更なしに製造することができ、制御可能なコスト内で工業生産プロセスの実現可能性が保証された。
試作タイヤは、燃費・安全性・帯電防止などの主要性能で画期的な進歩を遂げ、省エネタイヤスペースにおけるグラフェンの応用価値を実証している。
具体的には、Linglongのグラフェンタイヤの低燃費グレードは、EUタイヤラベリング規制のグレードAに近く、またそのウェットグリップ性能はEUラベリングのレベルAを達成すると推定され、その総合性能は国際的上級レベルとなっている。
さらに、タイヤの耐摩耗性および熱伝導性は、市販の高性能グリーンタイヤと比較して、様々な程度の改善が行われた。
高い導電率と熱伝導率、耐摩耗性
材料として、グラフェンは超高導電率と熱伝導性の利点を持っており、ポリマー複合材料中に少量のグラフェンを入れることで、材料の導電率と熱伝導率を大幅に向上させることができる。
また、グラフェンの超高強度および超大比表面積の特性によって、ゴム複合材料の耐摩耗性を効果的に改善することも可能である。
研究チームによって既に開発されていたマイクロインターフェース技術を通して、グラフェンタイヤの燃料消費量は効果的に低減することができる。
タイヤ生産へのグラフェンの導入は、中国のタイヤ技術とグラフェン産業の発展に大きな影響を与えることが期待される。
(画像はプレスリリースより)

Linglong Tire News
http://en.linglong.cn/content/details34_38472.html