AI関連の新興企業への投資を拡大
ボッシュは2月27日、同社グループ傘下のベンチャーキャピタルであるRobert Bosch Venture Capital(以下、RBVC)が、4つ目のファンドとして2億ユーロを投資したことを発表した。
ヨーロッパ最大の企業投資家の1つであるRBVCは、革新的な技術新興企業を専門としている。同社のポートフォリオには、自律運転、AI、モノのインターネット(IoT)、さらにはブロックチェーンなどの分散台帳技術にも積極的に取り組んでいる35社を超える企業が含まれている。
RBVCは現在、世界で最も有望なAI関連の新興企業3社、DeepMap、Graphcore、Syntiantに出資している。
ロバート・ボッシュのCEOであるVolkmar Denner博士は、次のように述べた。
「IoT企業として、我々は、人工知能など将来の妥当性の分野における技術を選択することを推進したいと考えている。我々は、新興企業に投資するだけでなく、オープンイノベーションプロジェクトでも新興企業と協力している。オープンイノベーションとは、顧客、研究者、サプライヤ、およびパートナーをまとめ、それらを企業のイノベーション活動に統合するというコンセプトである。」(プレスリリースより引用)
オープンイノベーションで双方にメリット
毎年、RBVCの専門家は2,000を超える新興企業を調査しているが、そのうち約100社しか候補として選出していない。
RBVCのマネージングディレクターであるPhilipp Rose氏は、次のように説明する。
「我々は、毎年、6社から10社の厳選された企業に投資している。資本に加えて、我々は、ノウハウや運用のサポートも提供している。新興企業とボッシュの運用部門を連携させている。オープンイノベーションは、新興企業にとってもボッシュにとっても同様のメリットがある。新興企業の専門知識は、新興企業が保持したままであることを確信している。」(プレスリリースより引用)
これらの提携は、新興企業だけでなくボッシュにも恩恵をもたらす。新興企業は、サプライヤや技術パートナー、そして、ボッシュの顧客になる機会を得る。一方、ボッシュは、最新の技術にいち早くアクセスすることができ、それを独自のイノベーションに組み込むことができる。
ボッシュは現在、オープンイノベーションプロジェクトで100社以上の企業と協力している。
機械学習、半導体開発、IoTなどに投資
RBVCは、アメリカのサニーベール、ドイツのフランクフルトとシュトゥットガルト、イスラエルのテルアビブ、中国の上海など、独自の場所と拠点を通じて、世界中の技術的に進んだ場所におけるプレゼンスを維持している。
RBVCの技術担当副社長兼マネージングディレクターであるIngo Ramesohl博士は、次のように述べた。
「我々は、地域レベルで活動的である世界的な投資家である。我々は、直接現場に関わっており、市場を知っている。同時に、我々は、ボッシュの事業に関連する企業にのみ投資することため、新興企業に世界的なネットワークを提供している。」(プレスリリースより引用)
RBVCのポートフォリオは、機械学習、半導体開発、IoTなどの分野で事業を展開している活気のある企業で構成されている。
その一例としては、機械学習を加速するように設計されたAIコンポーネントを製造している、イギリスのプロセッサ会社Graphcoreがある。2018年、Graphcoreは、ヨーロッパで最大のベンチャーキャピタル資金調達ラウンドを完了し、現在17億ドルと評価されている。
RBVCは、最初の資金調達ラウンド以来、財政だけでなく、ネットワークと専門知識によって、Graphcoreをサポートしてきた。
初期段階のRBVCにより投資を受けたもう1社は、中国の都市型IoTソリューションの大手サプライヤSensoroであり、3社目は、自律走行車用の非常に正確な地図を作製するアメリカの会社DeepMapである。
他のすべての機関投資家と同様に、RBVCは、最終的にスタートアップの株式を売却して利益を上げることを目指している。
(画像はプレスリリースより)

Bosch Press Releases
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