ステアリングホイールにより手元で制御
ZF Friedrichshafenは、レベル3以上の自律走行機能をサポートすることを目指した、新しいステアリングホイールコンセプトを発表した。
このシステムは、運転者と車両の間のコミュニケーションを強化するためのグラフィックディスプレイによるジェスチャー制御と、高度なハンズオン検出技術を組み込んでいる。
ステアリングホイールシステムと運転者のエアバッグのエンジニアリング担当副社長であるJuergen Krebs氏は、次のように説明する。
「ZFが目標である『ビジョンゼロ』を追求するにつれて、重要なイネーブラは車両と運転者のインターフェースとなるでしょう。また、新しい自動化された機能がより一般的になるにつれて、ステアリングホイールに採用された高度な技術は、運転者の安全性と、現在の車両制御モードの認知を改善することに役立ちます。」(プレスリリースより引用)
ディスプレイのLEDライトで様々な表示
ZFの新しいコンセプトは、自動車メーカーが選択した様々な車両の機能を使用するためのジェスチャーコントロールを利用するように設計されており、電話や他のスマートデバイスで一般的に使用されるジェスチャーを通して、直感的に機能する。
例えば、カバーで1回タップすると、クラクションを作動することができ、2回タップするか、リムでタップとスワイプをすると、温度調節や変更などホイールリムで指示できる機能が作動する。これらのジェスチャーは、センターディスプレイと付随するグラフィック、ライトディスプレイによって、サポートされ確認される。
ホイールは、複数のインターフェースを使用して車両の制御モードを示す。ステアリングホイールリムのセンターにある7インチのLCDディスプレイは、運転者や車が制御されているかを示す。
また、LEDライトストリップは、ステアリングホイールリムに統合され、青いライトは自律走行モード、白いライトはマニュアル走行モード、赤いライトはドライビング警告を示す。そして、黄色いライトは左右の方向指示を表示し、その他、車両メーカーによって選択された様々なシーンを示すために、ライトが点灯や点滅をする。
システムはまた、運転者がホイールを握っている場所を検知する外側のリムに、10のセンサーによる幅広い機能を持たせ、内側のリムは推奨するグリップが採用された場合を検知する。
これにより、手元で正確にオンとオフを検知することができ、運転者と車両が制御できているかを明確にすることが可能である。これは、レベル3以上の自律走行操作にとって不可欠である。
エアバッグの課題も解決
ホイールの独自の構成により、中央にLCDスクリーンが位置するために、運転者のサイドエアバッグが従来の場所に位置することができないという、新しい課題が提示された。
これに対し、ZFのエンジニアは、リムを通してホイールの後ろ側から展開し、ディスプレイをカバーすることができる新しいエアバッグのコンセプトを設計し、これにより事故の時に運転者を守ることを可能にした。
Juergen Krebs氏は次のように強調した。
「ZFの高度なステアリングホイールコンセプトは、安全性と運転者の認知を強化することに役立ちながら、自動運転の進化において重要な1歩を提示しています。我々がレベル3の自動走行機能を準備する時、非常に正確なフィードバックを使用した車両と運転者間の制御の受け渡しが不可欠です。我々は、新しいコンセプトは最も直感的であり、運転者への最も明確なフィードバックを提供するということを信じています。」(プレスリリースより引用)
(画像はプレスリリースより)

ZF Friedrichshafen Press Releases
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