EUのCO2排出量規制に対応
HELLAは、48ボルトのPowerPack付きデュアル電圧バッテリー管理システムという、部分的な電気駆動、いわゆるマイルドハイブリッド車に向けた革新的なバッテリーモジュールソリューションを市場に初めて提供した。
この新しいソリューションにより、1キロメートルあたり5~6グラムのCO2排出量を低減することが可能であり、短期間でCO2削減目標を達成することができる。これは、2020年以降、EUで新しく登録された自動車は1キロメートルあたりCO2排出量が95グラム以下という規制に対応するものとなる。
HELLA、エレクトロニクス事業部門の役員であり、エネルギー管理プロダクトセンターの責任者であるBjörn Twiehaus氏は、次のように述べた。
「しかし、内燃エンジンは、すぐになくなるわけではない。指定された制限値を達成するために、車両は電化されなくてはならない。」(プレスリリースより引用)
こうしたことから、HELLAは、コンパクトクラスとミッドレンジクラスに向けて、デュアル電圧バッテリー管理システムを開発した。これは、従来の鉛蓄バッテリーを設置するスペース内で、48ボルトバッテリーと12ボルトバッテリー、変圧器(DC-DCコンバーター)など、従来は独立しているコア要素を1つの製品にまとめたものである。
このシステムによって、内燃エンジンを搭載した車両をマイルドハイブリッドに変換することができる。
内燃エンジン車両をマイルドハイブリッドに変換
もう1つの利点として、デュアル電圧バッテリー管理システムは、車両における鉛蓄バッテリーの必要性をなくした。革新的なシステムは、用途に応じてインテリジェントに切り替えができるリチウムイオン電池で構成されており、12ボルトか48ボルトの車両電気システムで使用することができる。
そして、同社は、より高い定格電力クラスの車両に向けて、電池管理とDC-DCコンバーターを含む48ボルトのリチウムイオン電池パックを組み合わせた、48ボルトのPowerPackを設計した。
これは、回生(ブレーキをかけている間エネルギーを回復する能力)、またはアクティブ惰性走行(走行中内燃エンジンはスイッチが切られる)などのハイブリッド機能と同様に、高級クラス向けの快適な機能を実現している。この機能とは、アンビエント照明、自動温度調節、アクティブシャーシ制御などがある。
拡大するハイブリッド市場
ロンドンを拠点とする分析会社IHS Markit社の調査によると、この分野における新規登録車両の年間シェアは、世界で、2020年の600万台から2030年には3,500万台に増加すると見込まれている。
Björn Twiehaus氏は、次のように説明した。
「48ボルトのハイブリッドは、それはエネルギー回生方法と改善されたエネルギー効率を提供しながら、車両アーキテクチャにわずかな介入のみを必要とすることから、特に有望である。新しい製品で、HELLAは積極的に技術を進歩させ、顧客がeモビリティの分野に参入することを可能にしている。」(プレスリリースより引用)
HELLAはすでに、マイクロハイブリッド用のバッテリーセンサーシステム(始動/停止自動システム)からマイルドハイブリッド用のパワーエレクトロニクス、完全電気自動車の高電圧アプリケーション用のバッテリーエレクトロニクスまで、あらゆる種類の駆動用製品を提供している。
(画像はプレスリリースより)

HELLA Press Releases
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