デルファイ、自動車用シリコンカーバイドデバイスを扱うCreeと提携

デルファイテクノロジーズ（以下、デルファイ）は9月6日、シリコンカーバイド半導体のリーディング企業であるCree、Inc.（以下、Cree）と提携することを発表した。これにより、シリコンカーバイド半導体デバイス技術を活用して、将来の電気自動車向けに、より迅速で小型軽量、強力な電子システムの実現を目指す。

Creeのシリコンカーバイドベースの金属酸化物シリコン電界効果トランジスタ（MOSFET）技術は、デルファイのトラクションドライブインバーターやDC／DCコンバータ－、充電器と組み合わされ、軽量化とスペースの節約、コストの削減を実現しながら、ドライビングレンジを拡張し、電気自動車の充電時間を短縮する。

CreeのシリコンカーバイドMOSFETは、デルファイテクノロジーズによる高級グローバル自動車メーカー向けの800ボルトインバーターで、最初に使用され、2022年に生産が開始される予定である。

デルファイのCEOであるRichard F. Dauch氏は、次のように述べた。

業界が内燃エンジンから電気自動車への移行を加速しようとしているため、自動車市場全体で、シリコンカーバイド電力ソリューションの導入は急速に成長している。アメリカの市場調査会社IHSは、2030年までに、年間で販売される全車両の27％にあたる3,000万台の高電圧電動車両が販売されると予測している。

インバーターは、最も価値の高い電化コンポーネントの1つであり、その効率は、車両パフォーマンスの多くの側面で、業界を変えるほどの影響を及ぼす。

CreeのCEOであるGregg Lowe氏は、次のように説明した。

Creeは、シリコンからシリコンカーバイドへの世界的な移行をリードすることに注力し、最近、シリコンカーバイドの能力拡張で、容量が最大30倍に増加したことを発表している。

同社は、Wolfspeed事業部を通して、シリコンカーバイドと窒化ガリウム（GaN）電力、無線周波数（RF）のソリューションの包括的なセットを提供している。

また、800ボルトで動作するデルファイの新しいシリコンカーバイドインバーターは、他のパワートレインシステムを最適化するための追加の柔軟性を、車両のエンジニアに提供する。

オプションには、より航続時間を延長した小型のバッテリー、超高速で小型軽量、安価なケーブルがあり、ブレーキ時の車両運動エネルギーの回収量が増加し、車両の航続距離がさらに延長される。

（画像はプレスリリースより）




Delphi Technologies Press Releases
https://www.delphi.com/